意外と知らない【一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA】利用時の注意 ~少額投資非課税口座を活用しよう~

目次

~NISA(少額投資非課税口座)~

Nippon Individual Saving Account (少額投資非課税口座)の略式名称です。

分かりやすくいうと投資用の個人貯蓄口座のことです。

NISAには現行、3つの種類があります。

一般NISAつみたてNISAジュニアNISAです。

それぞれ非課税となる期間や投資対象、運用期間に決まりがあり、同時併用ができないために1つを選択する必要があります。

≪一般NISA

一般NISA は1年間で投資した120万円までの投資金額とその利益などの税金が無税になります。

※1年間とは1/1~12/31で考えます。

非課税口座を開設する年の1月1日において20歳以上の日本国内居住者が開設できます。

非課税の期間は最長5年で購入、解約のタイミングは任意です。

要点をまとめると以下の制度です。

・国内居住者兼20歳以上からの利用、投資金額は1年間で120万円まで、好きな時に売買可能。

・最長5年間非課税(分配金の配当所得、売却時の譲渡所得の20.315%がかからない)。

・多様な商品から選択可能。

・一括投資、分割投資が可能。

つみたてNISA

一般NISAと同様、20歳以上の日本国内居住者が開設可能で対象商品は投資信託のみです。

投資金額は年間40万円までで非課税の期間は最長20年、投資方法は積立限定です。

ロールオーバー(5年間の非課税期間終了後に翌年分の非課税投資枠へ移行すること)はできない制度となります。

安定的な資産形成を目指す、長期・積立・分散投資に適した運用となるよう、一定の条件(信託期間無期限または20年以上、販売手数料無料、信託報酬低率等)を満たす金融庁に届け出のあった投資信託等に限定されます。

ジュニアNISA

日本国内に在住の0~19歳の名義で1年間で80万円まで投資ができます。

未成年であるため、運用と口座管理は親権者等の法定代理人となります。

NISA同様に一括、分割投資が可能です。

途中売却は制限があるので18歳まで行えません。

18歳未満で払い出す場合、全部解約(ジュニアNISA口座等の廃止)のみ可能とし、ジュニアNISAで享受した過去の利益に対し課税されることとなります(遡及課税)。

なお、災害等のやむを得ない場合には、非課税での払い出しが可能ですが、その場合も全部解約となります。

※2023年12月末で新規でのジュニアNISA口座開設は廃止予定ですが、この期間までに口座開設で投資開始から5年間は非課税のメリットが適用されます。

口座を開設するにあたり

まず、NISA(非課税口座)を証券会社や銀行、投資信託の運用会社などで開設し、この口座で上場株式や投資信託を売買すると、得た所得に対して非課税が適用されます。

ただし利用者1人につき1口座のみ開設が可能です。

口座開設時に他の金融機関において同制度を対象としたNISA口座が開設されていないことが条件となります。

金融機関では投資家が過去既に申請しているか、どこで活用しているかどうかは調べられないので、重複申請しないように自身で把握しておくことが重要です。

※銀行は投資信託のみの取り扱いです。投資信託、上場株式、不動産などの投資の場合は、証券会社、投資信託の運用会社などの取り扱いとなります。

利用時の注意点

一般NISAを例に毎年120万円の非課税投資枠はその年しか利用できず、翌年以降の非課税投資枠への繰り越しはできません。

非課税投資枠を利用する場合、利用できる年は受渡日の属する年となります。

申込日によっては受渡日が翌月となり、翌年の非課税投資枠の利用となる場合があります。

受渡日とは……売買の決済をする日のことです。 国内株式の場合、約定(取引成立)した日を含めて3営業日目が代金の決済日(受渡日)となります。

非課税期間終了後について

5年間の非課税期間終了後は3つの選択肢があります。

1.さらに5年間延長する

NISA口座開設可能期間中であれば、翌年分の非課税投資枠へ移管することが可能です(ロールオーバーといいます)。

1番選択の場合……NISA口座で保有している投資資産を翌年の非課税投資枠へ移管します。年末時点での評価額で投資資産を翌年の非課税投資枠に移管し非課税で保有し続けることができますが、その分翌年の新規投資可能額が減額されます。

2.課税口座へ移管し保有する

特定口座や一般口座へ資産を移管して運用を継続することが可能です。

2番選択の場合……当初、非課税投資枠を利用してNISA口座で購入された投資資産の取得価額は、課税口座(特定口座または一般口座)へ移管された時に更新され、年末時点の評価額と同額となります。課税口座へ移管された後に売却される場合、課税金額は更新後の取得価額を基準に計算されます。

3.売却する

運用を継続しないで売却することも可能です。

例1、投資した120万円で非課税期間が終了した時に150万円になっていた場合、特定口座に移す際には150万円で取得価額が更新されます。その後、200万円に値上がりした時点で売却すると、200万円から150万円を差し引いた50万円の利益に対して課税されます。

例2、投資した120万円で非課税期間が終了した時に90万円になっていた場合、特定口座に移す際には90万円で取得価額が更新されます。その後、110万円に値上がりした時点で売却すると、110万円から90万円を差し引いた20万円の利益に対して課税されます。
このため、当初の購入価額が売却価額を下回った場合、売却時に税金がかかることがあります。

特定口座(一般口座との違い)

上場株式等の譲渡益課税における個人投資家の申告・納税手続きを簡素化するために導入された制度です。

特定口座は、1つの金融機関につき1口座のみ開設でき、「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」のいずれかが選択できます。

特定口座を利用すると、金融機関が投資家に代わって計算した譲渡損益が記載された「特定口座年間取引報告書」をもとに、確定申告に必要な書類の作成ができます。

さらに、「源泉徴収あり」を選択した場合は、証券会社などが投資家に代わって納税するため、確定申告をする必要がありません(確定申告をすることも可能です)。

例えば専業主婦の取引の場合(他に所得がなければ)、「配偶者控除・配偶者特別控除」の適用に影響を与えません。

一般口座の場合、自分自身で年間の譲渡益等を計算し、確定申告の準備をすることになります。

口座開設時に選択が可能ですので、まずは手続きが煩雑でない「特定口座(源泉徴収あり)」から始めるのもよいでしょう。

NISA変更

商品を変更する、金融機関を変更することは可能です。

一般NISAであれば、年間120万円までであれば、投資商品、購入回数は制限は特にありません。

気をつけるポイントは同年度中に、金融機関を変更することや一般NISAからつみたてNISAに変更はできないので注意が必要です。

ただし、翌年に金融機関を変更したい場合やNISAの種類を変更することは可能です。

資産を売却せずに、非課税資産として預けておく(運用のみ)ことで翌年より新たな金融機関に変更できるのです。

変更の申請期間が限られているので余裕をもって手続きしましょう。

税金の損益通算

特定口座、一般口座では損失が発生した場合に利益から差し引いて税金を減らせることができます。

NISA口座では活用できません。

1年間に売買した金融商品の利益と損失を確定申告にて通算し税金の還付を受けられます。

特定口座であれば、取引した金融機関が通算、申告して還付を自動的にしています。

また、確定申告を行うことによって最長3年間の損失を繰越して控除することも可能です。

NISAの税制優遇を有効活用するためにも、事前の下調べや制度のポイントについてよく確認して商品を選択するようにしましょう!

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